キーマンインタビュー

L/Rights & Partners Limited
  • ビジネス記事
  • キーマンインタビュー

L/Rights & Partners Limited

代表取締役社長 遠藤 隆史氏

日本文化を香港から世界へ様々な人を雇用・成長させ事業を通して人を豊かにする


「Café Life」をはじめ、毎年恒例となった「EN×NICHI」を主催するなど、常に新しい発想で事業展開する遠藤氏に、現在の取り組みと今後の展望について伺った。

日本のケーキと珈琲を提供したい

 所属する会社の海外事業立ち上げのため、2012年に来港しました。この本業とは別に香港で発見するビジネスチャンスをとらえ、次々に事業化しています。その一つが「Café Life」です。始める前は、共同経営者の松岡と2人でお菓子教室を行っていました。そのうちに、多数のカフェからメニュー開発を依頼されるようになったので、いつかは私達のお店が欲しいと思っていました。そんなとき、PMQの募集があり、コンセプトに共感したため、Café Lifeを立ち上げました。香港にカフェは多くありますが、なかなか日本のような美味しいケーキと珈琲が楽しめるお店がまだ少ない。そのため、Café Lifeでは、店内でケーキを作り、珈琲豆を焙煎して提供するスタイルを一貫しています。


EN×NICHIから次のステージへ

 EN×NICHI(縁日)は、2014年に始め、今年で4年目、5回目の実施となります。日本らしい祭をPMQですれば、香港の人に喜ばれる、また、日本で行われている盆祭りのような祭りが毎年あれば、香港に住んでいる日本の子どもたちや親御さんたちにも楽しいのでは、と思い始めました。「日本との縁をつなぐ」そういった思いで進める中で、日本らしいモノやサービスが海外では反響が高いことがわかり、テーマを決め、日本らしいものを背負って、海外で商売することに、私自身のやりがいを感じると気づきました。

 では、何をテーマにするのか。そう考えたときに思い浮かんだのが、日本酒を中心とした日本のお酒もしくは、いま香港で流行っている緑茶・抹茶等のお茶です。悩んだ結果、市場ではお酒の方が需要が高く、レストランを通じて拡がりやすいと考え、日本酒を中心とした日本のお酒の、アンテナショップ「Sake Central」を9月1日に、同PMQ内にオープンすることにしました。

日本と香港の人が交流できる場に

 同事業は、日本人が日本人のためにやる事業ではなく、海外の人に日本のお酒を広めていくということをミッションしています。海外で日本のモノがブームになるのは、その国の人が良いと受け入れ、日本の文化を引っ張ってくれたときです。
 重要なことは、世界の人たちが日本文化を見たときに、どのように見えているのか、どのようなものが響くのかということで、わかりやすいことも必要です。このことを実践するため、上環にある焼鳥の人気店、「Yardbird」を経営するカナダ人のエリオットを中心に、店長はイタリア人のマテロ、シェフはアメリカ生まれ、アメリカ育ちの香港人のロキ、その他スタッフも海外育ちの香港人といった、グローバルなメンバーでチームを構成しました。
 Sake Centralでは、香港に住む海外の人たちに、日本のお酒の飲み方や楽しみ方をクローズアップしていき、日本の都道府県や、酒蔵の方々に、世界を実感できる場を設けることを目指しています。
 現時点で日本酒を300銘柄、2000本のお酒を集めました。香港で日本酒を扱っているディストリビューターと契約・協力し、日本酒のさらなるブームを起こそうと考えています。香港は酒税を改定したことにより、ワインの流通量がアジア区で世界一になりました。ワインのディストリビューター2000社に対し、日本酒は20~30社しかありません。そのことを考えると、まだまだ日本酒の需要が伸びる余地があります。お酒のイベントをするのも個別ではなく、一同に集まり、ここPMQで合同イベントを行う流れにしていきたいです。例えば、PMQの中にあるイベントスペース「QUBE」で、年二回、日本酒イベントを企画・実施していきます。また、今年の秋に開催するEN×NICHI(縁日)の企画では、十酒蔵を選び、プレミアム試飲会のセレモニーを予定しています。今後、香港で最もメジャーな日本酒のイベントを目指します。 

日本の酒を香港から世界中の都市へ

今後、Sake Centralの価値観をテンプレートにして、香港から世界へ広げていきたいです。世界の国どこにでも、都市の中心(セントラル)はあるため、そのエリアを中心に酒事業をしていこうと考えています。Sake Centralの名称は、はじめはPMQがセントラルにあるので、仮称で決めましたが、最終的には、香港以外の国で事業展開したときに、もっともわかりやすい名称だと思い、Sake Centralに決めました。
 計画では、3年以内にアジア圏を縦軸に中国、シンガポール、オーストラリアに展開していきます。その近辺のタイ、フェリピン、ベトナムも考えていますが、まずは縦軸です。その次にヨーロッパ、アメリカ、最終的にはエリオットの出身地、カナダまで目指します。日本でもSake Central GinzaやSake Central Kyotoなど日本逆輸入ができたら面白いですね。


「Sake Central」はエリオット氏を中心に事業を行う。同氏は大の日本酒好きで、日本全国の酒蔵を巡り、本を作るほど。遠藤氏の座右の銘は『勝つまでやる』。どんなことでもやると決めたら、とことん勝つまでやり続ける。

PROFILE

えんどう たかし

神奈川県藤沢市出身。2000年、法政大学工学部経営工学科を卒業し、プライスウォーターハウス&クーパースに入社。2007年に事業再生系投資会社、キャピタルメディカに転職。コンタクトレンズを扱うシンシア香港設立を機に2012年に来港し、現在に至る。


<遠藤さんを知るキーワード>


香港と日本をつなぐ縁づくり

今年で5回目となる「EN×NICHI(縁日)」。今年は2週にわたり開催!前半は「秋祭り」、後半は日本酒を中心としたイベントを行う。「QUBE」と「Sake Central」を会場に加え、イベント内容や出展者を増やし、パワーアップする。


個人事業を始めた原点

本格珈琲とケーキが人気の「Café Life」。年内に2号店を上環にオープン予定。また、中国の企業とパートナーシップを組み、商品プロデュースを行う新業態のカフェ展開も。広州K11店を皮切りに、初年度60店舗、3年で200店舗を目指す。


カンボジアの大学生に支援

2007年にカンボジアの孤児たちへの支援を開始した「LaPlace基金」。カンボジアの孤児が教育の機会を得て、雇用機会を得られるよう、カンボジア王立プノンペン大学の日本語・英語学科に「奨学金」制度を設立。詳しくは「宙とぶぺんぎん」HPで。




L/Rights & Partners Limited

住所 Rm 302, 3/F, Fu Fai Commercial Center, 27 Hillier St, Sheung Wan, HK MAP
電話 852-2323-3359

ピックアップ

Concierge
コンシェルジュ公式App

CCG Concierge

上海・大連への
便利な街案内&生活情報アプリ!

ダウンロードはこちら
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード

ピックアップ

Concierge 公式SNSアカウント
Concierge 公式SNSアカウント