キーマンインタビュー

全日本空輸株式会社
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香港支店長 石田 洋平氏

香港とともに歩んだ30年日本の新しい魅力を発見する旅のアイデアも提案



今年で香港への定期便就航30周年を迎えた同グループの香港支店長・石田氏に、香港進出の道のり及び経営理念、さらに今後注力していく新規事業について伺った。

日本から香港へ羽ばたく30年

 ANAが香港に進出したのは1971年のことです。当初は、不定期の国際チャーター便B727-100を羽田から香港へ運航していました。同年に香港支店も開設しました。1975年に香港支店を現地化し、「All Nippon Airways Travel Service Co. Ltd.」としてスタート。そして、ANA初の国際定期便、東京-グアム線の運行を開始した1986年の翌年には、成田から香港への定期便をL-1011で運行開始。今年で就航30周年を迎えました。


 この30年、ANAは香港の目まぐるしい成長を目撃してきました。1999年に、香港国際空港がカイタックから現在の赤蠟角(チェプラプコック)へ引越しましたが、初期は空港施設が全く機能しない状態でした。旅客手荷物が出発までに搭載できず、搭載エリアに残された何千個もの荷物の中から、夜通し空港スタッフが手作業で探し出さなければならなかった事態もありました。その香港国際空港も現在では、世界の空港や航空会社の評価をするSkytrax社の「世界の空港ランキング」の上位常連空港です。現在、ANAは香港でLCC(Peach AviationとVanilla Air)も含め、日本(羽田・成田・関西・名古屋)へ週70の旅客便を運航しています。また、日本への貨物便も週13便運航しています。近年は、中国の人件費高騰に伴い工場の機械化が進み、機械装置部品の中国への貨物輸送が増えています。香港から日本へは、中国からの電子部品・車のパーツ・携帯カバーなどの貨物輸送が多いです。また、貨物沖縄ハブは地方からの貨物の中継地として、翌朝には貨物が香港に届くようになっており、築地の新鮮な食材は羽田便で午後には香港に到着するような体制を整えています。

おもてなし精神で叶える旅

 ANAはフルサービスキャリアですので、お客様の期待値は高いものと考えています。期待を超える「感動」を提供し、「また乗りたい」と思っていただくために何ができるか、常日頃からスタッフで考えています。お客様の気持ちに寄り添うことができる、日本らしい、さりげなく行き届いたサービスが理想だというスタンスは、香港でも現場のスタッフ一人ひとりに共通しています。「あんしん、あったか、あかるく元気!」というANAのグループ行動指針に込められた思いを記した「ANA Book」のグループ全社員への配布や、人事担当者による職場説明など、共有と行動化の促進を図っています。2015年からは、同内容の研修を海外各地区において開催する「ANA's Way Ambassador Program」もスタートし、2017年度末までにグループ全社員3万5000人の受講を目指しています。さらに、グループ行動指針を反映した育成・評価の制度も導入し、目標や価値観を全社で改めて共有するとともに、社員一人ひとりの行動指針の実践を引き出すことにも努めています。


 サービス提供者として、お客様からお褒めいただくことは非常にやりがいを感じる瞬間です。ANAグループでは、お客様からいただいた「お褒めの言葉」を広く共有することや、互いの仕事や行動を認め合うことを大切にしています。意見デスクに寄せられたお客様からのお言葉・エピソードを再編集した「エピソード集」を毎年社内に配布し、自分たちが生み出している仕事の価値を再発見できる機会として活用しています。また、互いの仕事のよいところを見つけたら、それを「Good Job Card」に記入して本人に手渡す運動を推進し、「褒める文化」を醸成しています。こういった活動が社員のモチベーションと自主性を引き出すことにつながり、社員一人ひとりが仕事を通してより一層「ANA's Way」を発揮できると考えています。

よりディープな日本旅行を提案

 ANAの旅行商品として、今後「ANA Sky Holiday」にも注力していく予定です。現在、香港の訪日客の9割はFIT形式で旅行をしています。また、旅行の目的も美容院に行ったり、カウンターで好みの寿司を注文したりなど、日本人が普通に日本で行っているようなことを体験したい方々が増えています。ANA Sky Holidayでは、お客様が日本の新しい一面を知る手助けをしたいと思っています。 主要都市だけでなく、 東北などまだまだ香港のお客様が行ったことのない新しい場所を紹介し、旅の動機づくりとなるような情報サイトを新しく立ち上げ、香港から直行便が運航していない都市へも、ANAの国内線のネットワークを生かしたパッケージツアーを作成し、香港人旅客に販売していきたいと思います。


 また、訪日観光客の増加に併せて時間を有効利用できる深夜便を7月より週4便まで増やしました。 2017年末の港珠澳大橋(香港-珠海-マカオ 間)開通等に伴う大陸需要を見込んで、深センなどへの営業エリアの拡大にも取り組んでいます。より多くの方々がANAを利用し、便利に安心して日本に訪れ、日本の魅力を体感してもらえたら幸いです。



運航乗務員や客室乗務員などのANAグループの仕事を紹介することを通して、子どもたちに「夢を持つこと」そして「夢に向かって、努力し続けることの大切さ」を伝える航空教室を香港の学生向けに毎年開催している。


PROFILE

いしだ ようへい

兵庫県神戸市出身。1983年、慶應義塾大学卒業し全日空に入社。国際定期便就航と同時に営業本部国際部へ。数々の国際線路線展開を手掛け、1997年にロンドン支店へ。2005年より機内サービス企画に携わる。その後、商品戦略室副室長、沖縄空港支店長、ANA Cargo 取締役事業部長を経て、2016年に来港し現在に至る。


<石田さんを知るキーワード>

ファーストレディと



日本秋祭in香港のオープニングセレモニーで来港した安倍昭恵夫人を、香港日本人学校香港小学校で経営理事長として案内しました。また、関連イベント「縁日」では、安倍昭恵夫人がANAのブースにも立ち寄られ、ツーショットの記念写真も。


みんなとオフィスで祝う誕生日

もうなかなか誕生日を祝ってもらうことも少なくなりましたが、このときはオフィスで使っている部屋にスタッフがバースデーケーキを持ってきて、一緒に祝ってくれました。久しぶりに会社でバースデーケーキをカットして本当にうれしかったです。


チームワークは遊びで育む

仕事をともにする者の間で、チームワークは大切です。そのため、仕事だけでなく、スタッフみんなでよく遊びにも行っています。写真は、夜のイカ釣りクルーズに出かける前に撮影したもの。ボウリング大会なども行っています!



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住所 Suite 1908, Tower 6, The Gateway, 9 Canton Rd, Harbour City, TST, KLN MAP
電話 852-2848-4111

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