キーマンインタビュー

東急商務諮詢(上海)有限公司
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東急商務諮詢(上海)有限公司

董事・総経理 楊 子明氏

拡大するインバウンド事業、
注目のアウトバウンド事業で
日中友好の架け橋となりたい


2012年に上海進出以来、厳しい時期を体験しながらも現在インバウンド、アウトバウンド事業で活躍をみせる同社にお話を伺った。


可能性を秘めた最大級の市場へ

 日本でも交通、不動産、生活サービス、ホテルの4つの事業を中心に活躍する東急グループ。東急電鉄社の100%子会社の当社は、急成長する中国に可能性を感じ上海へ進出。主な業務は、東急電鉄を含むグループ企業のインバウンド訪日業務、グループ企業の中国事業進出のサポートとガバナンスです。事業が停滞することもありましたが、現在は業務の8割がインバウンド。アウトバウンドも視野に入れています。
 力を入れているインバウンド業務の一例として、在上海日本国総領事館や日本政府観光局(JNTO)など多数企業・地方自治体と共同して結成した「上海VISIT JAPAN推進会」があります。同推進会では中間富裕層FIT(個人旅行者)獲得のため、訪日中国人マルチビザホルダーを対象とした微信アカウント「日本軽奢游」(WeChat ID:JapanQSY)共同配信チームを設立、東急は幹事会社の役割を果たしています。マルチビザホルダーは訪日意欲、訪日の機会が多く消費需要も高いのが特徴。各参加企業が配信する交通や観光、商業、ホテルなどの情報を同アカウントフォロワーに提供し、サービスを認知・利用してもらうことで、魅力的で有益、快適な日本の滞在、体験を楽しんでいただくことを実現しています。当初の参加企業は7団体でしたが、現在は行政機関および各業界の主要企業合わせて22団体が参加。アカウントのフォロワーも増え続け、現在は約1万6千人ものフォロワーを獲得。数年前まで上海エリアでは約8割が団体旅行、2割が個人旅行でしたが、現在は7割が個人旅行です。特に訪日経験者が比較的多い上海、華東地区では、オフ会など実際に訪日者と交流するよう心がけています。オフラインでのインバウンド活動も推進しており、紙媒体でのPR活動も行っています。最近では、JR西日本、JR九州、東急3社の上海現地拠点がサポートおよびスポンサーとなり、上海交通大学出版社が主導で「日本おもてなし鉄道」の中国語版「和风下的观光列车」を制作、今年5月より販売を開始。ほかにも、中国各地の旅行社との関係構築、ホテル予約代行や、自力でのSNS配信(「渋谷達人」微信、微博)、上海、北京、香港などで開催される旅行博覧会(WTF、CITM、BITE、ITE&MICE)への参加など積極的に業務を遂行。昨年7月からは、日本政府主導の国有空港のPFI民営化改革に応じ、第一号案件である仙台空港の運営管理を東急グループが受託し、仙台および日本東北エリアのインバウンド訪日促進活動にも関わっています。


アウトバウンド事業も強化

当社・グループのアウトバウンド事業は割合的には少ないですが、上海急線企業管理有限公司とライセンス契約を締結し、上海申通地鉄資産経営管理有限公司が所有する上海地下鉄徐家匯駅構内での店舗開発コンサルティング事業も開始。2015年、上海の地下鉄は15路線366駅を有し、輸送人員も約30億人超えなど世界第一の規模を誇ります。しかし輸送力強化を優先してきたため、駅構内の店舗開発は成長の余地があります。そこで注目されたのが日本の駅構内の店舗開発、運営ノウハウでした。当社グループは「国内外の事業から培ったノウハウの活用」を掲げ、東南アジアにおける経済成長のサポートや、現地パートナーとの連携などによる事業推進、事業企画の拡大に積極的に取り組んでおり、今回も同事業を通じ、上海地下鉄利用者の利便性向上に貢献するとともに、日本文化などの発信を行うことで、駅構内で時間を消費する新しいスタイルの提案を目指しています。
 話題となるような駅構内を作り上げようと努力していますが、中国で初となる同事業で頭を悩ますこともあります。625平米のスペースに飲食店・雑貨店など9店舗をオープン予定ですが、中国の関連規制が厳しく、店選びには苦労しました。ですが滅多に携わることのできないこのような事業に、当社・グループならと信頼していただき、携われることを誇りに思っています。


当社の事業で日中友好へ

市場の急速な変化を感じられる上海では、価値観の違いや、スピード感の違いなど戸惑うことはあります。ですが当社は全社員が責任を持ち事業に携わることで、厚い信頼を得ていますし、昨年までの経営体制・事業方針からマーケットに応じて変身を求め、今年からは当社の自力収益性の向上やインバウンド・アウトバウンドとも業務遂行できるまでに成長しました。当社の成長を感じられることは嬉しい限りです。
 今後もインバウンド事業をしっかり推進していきたいですし、多様化する訪日観光者のニーズに常に対応できるようにしていきたいと思います。また、駅ナカ事業でノウハウを培い、今後に活かしたいです。中国人に日本の文化、習慣により馴染んでほしいですし、当社が展開する事業で日中間の友好関係をさらに深めたいと思います。


日本への留学後、2011年に日本にて東京急行電鉄株式会社へ入社。翌年上海へ出向。変化し続ける中国市場でいかに同社の事業を進めていくか、奮闘中。今後の活躍にも注目が集まっている。


PROFILE


東急商務諮詢(上海)有限公司

董事・総経理

楊 子明氏


1977年生まれ。中国江蘇省無錫市出 身。ハルビン工業大学に入学するも、日本へ交換留学のため中退。2003年に東京工業大学で修士課程を修了し、Accenture Japanにて8年間勤務。2011年に東京急行電鉄株式会社へ入社。国際部所属、東急事業の国際化の市場調査・企画を行う。2012年より中国法人の立ち上げ、事業展開のため東急商務諮詢へ赴任。昨年、董事・総経理へ着任。趣味は旅行で、各地へ足を運ぶ。



楊さんを知るキーワード

和気あいあいとした社内


現在、上海支社は社員数も少なく、和気あいあいとした雰囲気の中で業務をしています。普段からコミュニケーションを多くとることで、業務も円滑に進みますし、全社員がとても努力しています。


日本の観光の魅力をPR



本業でもありますが、上海・北京・広州・香港などでの旅行博覧会に出展参加し、来場者に東急および日本の観光資源のPR、資料配布・プレゼンなどで訪日マーケットの拡大に専念しています。


趣味は旅行!



時間が取れると、あちこち旅行へ出かけます。これまでに新疆・内モンゴル・ハルビン・厦門・廬山・三亜・雲南などへ行きました。6月上旬は、黄山に登ってきました。汗をかいて気分も爽快です!



東急商務諮詢(上海)有限公司

黄浦区淮海中路887号永新大厦9012室
℡ (021)6360-1109
ziming.yang@tokyu-bcs.com

詳細は東急商務諮詢(上海)有限公司


東急商務諮詢(上海)有限公司

住所 上海市黄浦区淮海中路887号永新大厦9012室 MAP
電話 021-6360-1109

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