キーマンインタビュー
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Black Sheep Restaurants
創立者 Christopher Markさん
個性鮮やかなレストランで新しいダイニング体験を
数々の人気レストランを生み出したBlack Sheep Restaurantsの創立者・Mark氏に成功する飲食店の経営について伺った。
飲食の新しい領域に挑戦
Black Sheep Restaurantsは、中環を中心に多国籍な飲食店を展開しています。私たちのフィロソフィーは、既存の飲食業界の一部として留まるのではなく、新しい風を吹き込むこと。常に香港の飲食業界の状況を見極め、その中でまだ誰もやっていないことに挑戦しています。「厄介者」というニュアンスを持つ「Black Sheep」という名前を選んだのも、「違いを恐れない」というスピリットを大切にしているからです。
例えば、ピッツェリアの「Motorino」は香港で唯一のナポリピザ専門店です。ピザの縁にところどころ焦げ目がついているのが特徴です。また、ベトナム料理店「Chôm Chôm」では定番のフォーを一切提供せず、本場のストリートフード体験「ビア・ホイ(bia hoi)」を提供しています。定番とは違うためか、両店ともオープン当初は厳しい声を受けることもありました。しかし、お店のコンセプトをしっかり理解いただいた今では、どちらも賑わいを見せています。
飲食業界では、似たようなことを繰り返えす方がたくさんいますが、私たちは新しいダイニング体験を目指しています。他者と違ったことを成し遂げるにはときに逆風や酷評に耐えなければなりません。そんな時こそ、恐れず自分の信念を貫くべきです。
お店の個性を最大限に引き出す
私たちが手掛けるレストランのアイデアの多くは、私やパートナーが旅の途中で食べたもの、体験したことから生まれています。多くは特定の地域の料理をテーマとしており、食材や調味料は無論、インテリアや食器を通じてもお店の個性を最大限に引き出すことを大切にしています。ユニークなダイニング体験で料理はもちろん重要ですが、印象に残る雰囲気を作り上げることもキーポイントだと考えています。
一番印象に残っているのは、モダンにアレンジを加えた中華料理店「Ho Lee Fook」です。このプロジェクトを考案し始めたときは、「香港でこれ以上中華料理店を開くなんて無謀だ」とも言われましたが、私たちが創りたいのは、遊び心のある親しみやすい中華料理です。メニューは、餃子や定番の家庭料理にほかのアジア料理やヨーロッパ料理の要素を取り入れ、一捻り加え、目新しさのあるものに。インテリアは、香港の茶餐廳や60年代NYの中華街からアイデアをもらい、工業用照明、麻雀に彩られたキッチンカウンター、孔雀や招き猫のデコレーションなど、中国らしさをアピールしつつモダンな食堂というコンセプトを目指しました。一体感のあるダイニング体験でHo Lee Fookという店の個性を存分に引き出したおかげで、オープンしてたちまち評判になりました。
日本のおもてなしから学ぶこと
私は以前料理人として、東京で仕事をしたことがありましたが、日本の料理人のダイニング体験に対するこだわりにはとても感心し、尊敬しています。いつでも同じように上質な料理を提供できる一貫性や、お客様に対するきめ細やかな心遣い、そして最旬の食材でお客様をもてなす和食の理念、どれも成功するレストランに欠かせない姿勢だと思います。私は今も傘下のレストランを常にまわり、品質のチェックを念入りに行ったり、旬に合わせてメニューを工夫してみたりと、日本で学んだことを実践しています。Black Sheep Restaurantsは変化を恐れません。今年も3~4の新店舗をオープンする予定です。常に新しいダイニング体験を提供し、既存のフードシーンと刺激し合うのが我々のミッションです。
PROFILE
クリストファー・マーク
カナダ・トロント出身。移民が集まる街で育ち、幼少時代からエスニック料理に慣れ親しむ。その後、欧米やアジアで料理人として修業を重ね、香港の飲食グループ「The Dining Concept」のエグゼクティブシェフを務める。2012年「Black Sheep Restaurants」を設立。遊び心満点の「Ho Lee Fook」
香港のナポリピザ第一号店「Motorino 」
Black Sheep Restaurants
住所 | 2604, Universal Trade Centre, 3-5A Arbuthnot Rd, Central, HK MAP |
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電話 | 852-2810-0078 |