キーマンインタビュー

和民餐飲管理(上海)有限公司
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和民餐飲管理(上海)有限公司

総経理・COO 照内 俊克氏

日本食文化を中国へ

現地の嗜好に合わせた

商品ラインアップに工夫を

2005年、中国マーケットへの参入を果たした居食屋「和民」。シェア拡大に尽力する和民餐飲管理(上海)有限公司・照内氏に話を伺った。



中国マーケットに参入


 弊社の海外進出は2000年の香港出店に始まります。5年の準備期間を経て、中国大陸への参入は2005年深セン市万象城に居食屋「和民」を展開したところからになります。上海では2007年にフランチャイズ契約を締結し、進出を果たしました。2010年、経済環境の変化から、フランチャイズオーナーから店舗を買取り、直営店へと切り替えると同時に、現在の上海法人を設立しました。

 しかし、独資企業・直営店だけでの経営では中国マーケットでの挑戦はさまざまな困難を擁しました。更なるシェア拡大を図るためには、有力なパートナーとタッグを組み、より現地化した経営スタイルに転換していく必要性がありました。その中で、弊社の価値観に共鳴していただける、素敵な企業との出会いがありました。ジョイントベンチャーとしての運営に目処が立ったことにより、昨年、合弁会社を新たに設立しました。現在はパートナーとの協業において、今までにない経営ノウハウを吸収しつつ、次の成長拡大に向けての準備を進めているところです。


13億人の嗜好へ合わせるために


 香港での経験から、現地の方に対し、どのように商品の味を合わせていくかということは常に優先課題としていました。顧客ターゲットを中国人としたことで、店舗の立地選定や商品嗜好などは現地化が急務でした。日本での「和民」は居酒屋使いのお客様がメインであり、アルコール比率は売上の40%以上を占める業態です。商品の品揃えも、お酒のアテになるメニューを幅広く揃えていますが、中国でのお客様の利用は食事が主体です。アルコール比率においても3%にも満たない状況です。これは、日本でのファミリーレストランとほぼ変わらない使い方をされているということです。ランチ&ディナータイムでの営業形態となることにより、メニュー数も多くなります。価格設定もマーケットの成長に合わせて変更していく必要がありました。
 また、最も苦戦したのは、商品の味付けについて、どのように調整していくかということです。人口13億を超える中国。地域の食文化により味の好みも多様です。華東地区は甘めの味を好み、華南地区では辛い味を好むなど、お客様の舌に合わせることが非常に困難です。またそれら嗜好の違いに合わせることで、日本食本来の味もぶれてしまいます。それならば、自分たち本来の味を守り、現地食材で忠実に再現していくことに集中することを決めました。嗜好に対するフィッティングは味を変えるのではなく、商品の品揃えを変えて対応する方法です。自分たちの「正」を持ち、バラエティーに富んだカテゴリ、品揃えをすることで、幅広い客層、さまざまなシーンで食事を楽しめる場の提供に繋がっています。


就業価値観を合わせる


 お客様の嗜好の違いと同様に、最も苦労するのは従業員の就業価値観の違いです。飲食業は離職率が高く、優秀な人材を定着させることが難しいです。特に沿岸部の都市では内陸部からの出身者が従業員構成のほとんどを占めます。春節には一斉に帰省されるなど、慢性的な人材不足、離職率低減の対応は必須となります。
 競合他社に人材流出を防ぐためにも、自社内で成長を促す仕組みが必要でした。評価の明確化と、できるだけ早いタイミングでステップアップできるように、3カ月ごとの評価機会を設定し、昇給へのチャンスも増やしています。従業員の「衣食住」を保障することも私たちの重要な取り組みです。食事の提供、社員寮の提供など生活基盤を整えることで、働きやすい環境づくりに努めています。自社を好きになってもらい、一緒に同じ目的を追求できる仲間、家族が増えたことで今までの展開、これからの発展があります。


マーケット拡大を目指して


 現在、日本を除く、アジア全体でワタミブランドの店舗数は約90店舗。そのうち30%を中国大陸で占めています。華東地区の上海・蘇州に18店舗、華南地区の深セン・広州に16店舗を展開していますが、今後は、他地域への進出も含め、中国大陸で100店舗を目標に進めています。日本で培ったノウハウを生かしながら、現地化を進めることで、マーケットに合わせた成長戦略、中国全土に日本食文化をより浸透させたいです。そして、「和民」が現地のお客様にとって日本食の代名詞となるようブランドに磨きをかけていきます。
 さらに、日本では六事業産業モデルというものを組んでいますが、中国でも日本で手がけているような宅食事業や環境事業、農業など、各事業についても展開していきたいと考える所存です。お客様・従業員の一人でも多くの笑顔を増やせるよう、「和民」は今後も前進し続けます。





従業員は大切な仲間ですから、カラオケ大会やバスケットボール大会を開催するなど、普段から従業員とのコミュニケーションを大切にしています。写真は新年会の際に優秀社員と撮影したものです。


PROFILE


和民餐飲管理(上海)有限公司
和民餐飲(深圳)有限公司

総経理・COO

照内 俊克氏


1976年生まれ。1999年ワタミフードサービス㈱(現:ワタミ㈱)に入社。居食屋「和民」店長、業態企画部長職を経て、2010年よりワタミインターナショナル(香港)に出向。昨年、WATAMI CHINA F&B Co.,Ltd.設立後、中国事業COOに就任。上海・深セン法人の総経理を兼務。



照内さんを知るキーワード

私の座右の銘


座右の銘は「知行合一」。仕事だけでなく、プライベートに関してもそうですが、常に学び、常に実践することに重きを置いています。日々の成長に繋がります。


大切な愛読書


M.E.ポーター著の「競争の戦略」。世界各国から多くの企業が集まる中国と言う巨大マーケットで、トップで活躍できるよう戦い方を常に模索、勉強しています。


愛用アイテム



「夢手帳」です。常に成長、前に向かって進めるよう、5年先まで実現したいことを、たっぷりと書き込んでいます。私の人生の地図とも言える大切な手帳です。



和民餐飲管理(上海)有限公司

上海市黄浦区普安路187-189号曙光大厦18楼B座 
℡ (021)5306-2901

詳細は和民餐飲管理(上海)有限公司

和民餐飲管理(上海)有限公司

住所 上海市黄浦区普安路187-189号曙光大厦18楼B座 MAP
電話 021-5306-2901

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