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中国著作権法の手引き(11)

今回は著作権の財産権の利用について紹介します。形式として、使用許諾、著作権の譲渡、著作権に対する質権設定、著作権に関する契約などが含まれます。

【①著作権の使用許諾】

著作権の使用許諾とは、著作権者が著作権の保護期間内において、著作権を移転することなく、一定の期間および範囲内において、一定の方法により他人の自らの著作物の使用を許諾する行為を指します。これにより、著作権の全ておよびその一部の使用において許諾が可能です。ただし、著作者人格権はその性質により、他人による使用の許諾が認められていないことに注意が必要です(公表権を除く)。

 著作権の使用許諾は、排他的許諾と非排他的許諾があります。排他的許諾とは、1人の被許諾者のみに著作物を使用する権利を付与できるものを指します。この場合、第三者および著作権者には権利を付与した範囲、期間内において著作物を使用する権利はありません。排他的許諾は強い排他性を備えているため、「著作権法実施条例」において、排他的許諾の内容は契約で約定しなければならないと規定されています。
 一方非排他的許諾契約とは、複数の被許諾者に対して同時または続けて著作物の使用を許諾できるというものです。この場合、被許諾者は互いに著作物を使用する権利を排除してはなりません。

 このほかに、著作権の使用許諾には「再使用許諾」という形式があります。これは、著作権者が被許諾者による第三者への権利付与を許諾するというものです。

【②著作権の譲渡】

著作権の譲渡とは、著作権を第三者に譲渡することを指します。著作権の譲渡との違いは、著作権の譲渡には著作権帰属の移転が発生する点にあります。
 実務において、著作権使用の許諾後に譲渡を行うことで紛争が発生する場合があります。しかしながら、中国の法律、法規には、著作権の使用許諾および譲渡の登記による第三者に対抗する効力について明文で規定されておらず、現在早急な解決が待たれます。

【③著作権に対する質権設定】

著作権に対する質権の設定とは、権利に対する質権設定に該当します。「担保法」の規定によれば、権利質は書面の契約を締結し、管理する部門に対し登記を行わなければなりません。また、「著作権に対する質権設定契約登記規則」の規定では、国家版権局が著作権に対する質権設定契約登記を管理する機関として定められています。この機関では専門の機構を指定して著作権に対する質権設定契約登記を行わせています。
 著作権に対する質権は、著作財産権に対する質権設定に限られ、著作者人格権は一身専属の性質を持つため、質権設定に使用してはなりません。

【④著作権に関する契約】

著作権法および関連する法規の規定によると、①著作権譲渡契約、②著作権排他的許諾契約、③著作権に対する質権設定契約を締結する場合、書面による契約を締結しなければならないとされていますが、非排他的許諾契約については、書面の形式を要求されていません。また、著作権者は排他的許諾契約または譲渡契約を締結する場合、著作権行政管理部門に届け出ることが可能です。上記届出に関する規定は、任意規定であって強制性はありません。このほか、届出の法的効力、中でも第三者に対抗できる効力は生じるかについては規定がありません。これは整備すべき事項の一つといえるでしょう。


張 継文 パートナー

北京中諮律師事務所

zhangjiwen@zhongzi.com.cn

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