キーマンインタビュー

株式会社 モンシェール
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株式会社 モンシェール

取締役 専務 金 春花氏

ケーキだけでなく

日本発・日本品質の
「 幸せ」を世界へ届ける


「堂島ロール」で大きな飛躍を遂げたモンシェール。大阪の小さなケーキ店から全国へ、そして世界へとファンを広げる同社の理念と今後の展望について伺った



始まりは「小さな想い」から

 2001年、双子の姉・美花が、幼い頃から憧れていたヨーロッパを訪れて出会ったカフェ文化。老若男女問わず日常的にスイーツを楽しむ人々の姿に、小さなスイーツがひとときの幸せをもたらすのだと感銘を受け、「日本でもこんなライフスタイルを楽しめたら」という想いを抱いたことがモンシェールの始まりでした。当時、私は一般企業に勤めていましたが、ほどなくして、姉の夢を一緒に追いかけることになりました。小学生の頃から、毎週末一緒にケーキを作るほどスイーツ好きではありましたが、その頃はまさか自分たちがケーキ屋さんになるとは思ってもいませんでした。

 2003年に大阪・堂島で小さなケーキショップとしてスタートした後、ご縁と幸運に恵まれ、現在は日本国内に28店舗、海外では中国で上海と南京に計5店舗、ソウルに6店舗、香港に3店舗を出店しています。


一歩一歩、ご縁で道が拓けてきた

 

 姉の夢を実現すべくはじめたケーキショップですが、起業前には経営知識もなく、軌道に乗せるまでには多くの試行錯誤がありました。堂島という土地もたまたまのご縁でしたが、一見ケーキショップのそぐわないビジネス街だったこと、近くに北新地という高級繁華街があったことが意外にも状況打開の契機となりました。七転八倒の私たちを心温かく見守ってくださったお客様たちの口コミや応援もあり、ありがたいことに取引先や客先への「お手土産」として頻繁に使っていただけるようになったのです。評判が広まり、関東のバイヤーから出店打診をいただくようになりました。

 初の海外進出は2010年の上海万博で、飲食スペースへとお声がけいただいたのがきっかけです。そこで良い評価をいただいたことで「日本発の味とサービスを世界に発信していきたい」という想いが強まり、上海浦東の森ビル「上海環球金融中心」へ出店することになりました。香港では、2012年に銅鑼湾のSOGOに初店舗をオープン。現在はSOGO内にカフェと店舗の2店舗を、旺角のランガムプレイスに妹ブランドのベビーモンシェールを展開しています。

「日本品質」を現地へ伝える

 私たちが最も大切にしているのは「クオリティ」です。「堂島ロール」の命はクリームですが、現在香港で販売する堂島ロールのクリームは、北海道産のクリームを数種類ブレンドして作ったメイドインジャパンの弊社オリジナルです。日本で販売しているものと同じクリームを、週に数回、鮮度を保つために飛行機で運び、現地の厨房で仕上げています。

 上海では現地の人材育成が進み月一回の視察のみですが、香港には上海でも経験のある日本人パティシエがアトリエに常駐して指導にあたっています。弊社のサービス金さんを知るキーワード質の良い京都宇治抹茶を使用したロールケーキやプリン、ハッピーポーチなどの抹茶シリーズ。日本が世界に誇る高品質な金沢の金箔で巻いたロールケーキも価値は「商品」「ディスプレイ」「接客」を三本柱としていますが、海外スタッフにはただ通り一遍の説明をしただけでは真の意味は伝えられないと思っています。一括りにアジアといっても、香港、中国本土、韓国では価値観や習慣が違い、現地文化に合わせた対応の必要性を感じます。スタッフとの関わり方や指示の伝え方など、それぞれの現地スタッフが受け入れやすいスタイルを心がけています。

 経営者として私が肝に銘じているのが「権限」と「権威」は違うということ。本社が日本である限り、日本から来た上司としての「権限」は最初からついてきますが、「権威」とはそれに甘んじることなく自らがトップとしての姿勢を行動で示し、それを周囲が認めることで生まれるもの。スタッフは自分の背中を見ていると常に意識しています。文化や価値観の違いはあれど、スタッフと根気強くコミュニケーションを取り、日本方式の優れた部分を感じ取ってもらうことで、「モンシェール」が目指す「幸せ」という価値観を理解してもらいたいと思っています。

海外展開の基盤としての香港

 今後は、日本発の企業として日本の美味しい食材を海外に紹介する役割も果たせたらと考えています。現在香港でも販売中の抹茶シリーズや、夏に向け企画中の日本の桃を使用した商品。また、金沢の金箔を巻いた豪華なロールケーキも販売予定です。

 今春、銅鑼湾SOGOのカフェは、ピンクが基調の「ベビーモンシェール」から、オレンジがテーマカラーのメインブランド「モンシェール」へブランドチェンジしました。近年のインバウンド活況の中、日本へ旅行し、各地の百貨店などで商品をお買い上げいただいた香港、中華圏の方々から「同じブランドだと気づかなかった」との声を度々いただいたことが大きな理由です。今後はSNSなど時代に合ったアプローチも活用し、香港でのブランド認知を高め、ブランドバリューの構築に注力したいと思っています。香港はアジアでの拠点と想定していますので、ここでまずグローバルブランドとしての基礎固めをし、さらなるアジア展開への基盤を築きたいと考えています。





質の良い京都宇治抹茶を使用したロールケーキやプリン、ハッピーポーチなどの抹茶シリーズ。日本が世界に誇る高品質な金沢の金箔で巻いたロールケーキも


PROFILE

株式会社 モンシェール

取締役 専務

金 春花氏

 福岡県出身。一般企業勤務を経て2003年、姉・美花さんが大阪・堂島で創業したケーキショップにオープン当初から参画。ロールケーキ「堂島ロール」が全国的に評判になり、2010年に初の海外店舗を上海で出店。2016 年1月より香港に駐在し、現地店舗の指導にあたる日々。二人のお子さんを持つお母さんでもある。



金さんを知るキーワード

朝は香港の新鮮フルーツ!


 香港に来て嬉しいことのひとつが、「フレッシュで美味しい南国フルーツが身近なこと!」日本では見かけないフルーツや、高価なドラゴンフルーツやパパイヤも香港ではより安く身近に。目にも鮮やかなフルーツを毎朝食べて、酵素やビタミンをチャージ


仲間の現地スタッフたち


 ほぼ毎日、午前中にはオフィス近くのアトリエへ行ってスタッフと言葉を交わし、午後には店舗へ顔を出す。「言葉が完璧には分からなくても、とにかくまめなコミュニケーションを心がけ、現場のみんなを巻き込むボトムアップの経営を目指しています」


元気と癒しを求めて


 中環のランカイフォンにある「寿司喰」で心身ともに栄養補給。「向川哲さん率いる『寿司喰』さんでは、お食事だけでなく、スタッフ一丸となった温かいおもてなしの心や香港スタッフとの関わり方など、いつも多くを学ばせていただいています」


Mon cher Hong Kong Limited

504, 5/F, Hong Man Industrial Centre, 2

Hong Man St, Chai Wan, HK

TEL:(852)3590-4143

www.mon-cher.com


株式会社 モンシェール

電話 852-3590-4143

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