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中国著作権法の手引き(8)

前回中国の著作権法で例示列挙されている権利の制限の一部について紹介しました。今回も引き続き権利の制限を紹介します。


権利の制限(2)

【⑤新聞、雑誌、ラジオ局、テレビ局等のメディアが公衆の集会で行われた演説を掲載しまたは放送する場合。ただし、著作者が掲載、放送を禁ずる旨の声明をした場合を除く】
 公衆の集会で行われた演説は、公開して宣伝するという性質があるため、一般的に制限を加えるようなものではありません。
 ただし、著作者の意思を尊重するため、著作者が掲載、放送を禁ずる旨の声明をした場合は、新聞、雑誌、ラジオ局、テレビ局等のメディアは、公衆の集会で行われた演説を掲載または放送してはなりません。
 実際には、著作者が演説を行う前や後に掲載、放送を禁ずる旨の声明をしていなければ、新聞、雑誌、ラジオ局、テレビ局等のメディアは公衆の集会で行われた演説を掲載しまたは放送することができます。
【⑥学校の授業あるいは科学研究のために、すでに公表された著作物を翻訳しまたは少量複製して、教育または科学研究職員の使用に供する場合。ただし、出版、発行は不可】
 本規定を理解するにあたって、以下の事項に注意しなければなりません。
 第一に、学校の授業とは国が設立した小・中・高の学校および大学等で直接受ける教育を指し、通信教育やインターネット授業等の遠隔教育は含まれません。また、私塾( 進学塾や補習クラスなど)、TOEFL研修クラス等の営利を目的とした授業も学校の授業に該当しません。
 第二に、少量複製とは著作物の複製物の部数が少量であることを指し、複製した内容が著作物に占める割合を指しているのではありません。
 第三に、複製した著作物は出版、発行は認められていません。
【⑦国家機関が公務遂行のために、合理的な範囲内ですでに公表された著作物を使用する場合】
 本規定を理解するにあたって、以下の事項に注意が必要です。
 第一に、国家機関とは国の行政機関、司法機関および軍事機関等を指し、国有企業は国家機関には該当しません。
 第二に、国家機関がすでに公表された著作物を使用する場合は、公務遂行のための合理的な範囲内でなければなりません。
 例えば、立法機関は法律を制定するために、ある法律学の論文を複製することが可能です。しかし、立法機関が法律学の論文集を出版しようとする場合は公務遂行のための合理的な範囲には該当せず、論文の著作権者の同意を得る必要があります。
 
【⑧図書館、公文書館、記念館、博物館、美術館等が陳列または原本保存の必要のために、当該館に収蔵されている著作物を複製する場合】
 図書館等の施設は過去の著作物を保存する場所です。過去の著作物は時間が経つにつれて次第に傷み、著作物の中には絶版となっているものもあるので、これらの著作物を保護することは大変重要な意義があります。そのため、中国の著作権法では図書館等の施設が陳列または原本保存の必要のために、これらの著作物を複製することを認めています。
 また、複製できるのは当該館が収蔵している著作物のみで、他の図書館が所蔵する著作物を複製することはできません。


劉 鐘 提携顧問

北京中諮律師事務所

zjw@zhongzi.com.cn

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