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NAC国際会計グループ
キャッシュフローを理解することの 重要性を再確認しよう!
キャッシュフロー計算書の間接法の中身を見れば、キャッシュフローが理解しやすい
*減価償却費だけが非資金項目ではない。他に 、無形資産の償却費 、のれんの減損などがある。
**運転資金減少の場合は 、営業CFの計算上 、+(プラス)要因になる。増大は 、逆にマイナス要因になる。このことを理解することが重要だ 。
ケーススタディをすれば、算式の弊害が簡単にわかる!
それでは、倒産3期前の数字はどうだったのか。そのときは、売上高536億円、前月号の簡易算式でのキャッシュフローは14億円の黒字、しかし、実態を表わす営業キャッシュフローは、逆に14億円の赤字だった。台所は火の車だったってわけだ。ちなみに、フリーキャッシュフローは、すでに30億円のマイナスを示していて、危ない状況だった。しかし、キャッシュフロー=当期純利益+減価償却費の算式では、14億円の黒字だったのだ!このように、この算式で計算されたキャッシュフローは、経常収支、営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフロー、どれをとっても、まったく似ても似つかない数字になることが普通である。それでは、幅広く使われているキャッシュフローを計算する簡易方式の数字はいったい何を表わしているのだろうか?正体不明で、ほとんど何の意味もないといっても過言ではない。意味がなくても、役に立てばいいのだが、この例のように、企業評価や経営遂行目的で使うと、大変な弊害をもたらすのだ。
前月号の算式には、まだ、欠陥がある。企業が粉飾すると、算式自体、粉飾にまったく無防備で、更なる弱点をさらけ出してしまう。赤字会社が利益を黒字に粉飾した場合、簡易算式では、キャッシュフローは粉飾分だけ、更に増加する。しかし、粉飾は帳簿上の操作だけだから、キャッシュフローは絶対に増えない。さあ、どうだろうか。これで、あなたも、誤った見方が、経営上いかに災いをもたらし、的をはずした企業評価になるか、十分に納得していただけたと思う。
次の言葉を贈って、最後にしよう
「キャッシュフロー経営」の実行以外に“企業の自立”はありえない。会計&ファイナンスの知識は、ビジネスに、確実に、且つ、大いに役立つ。会計&ファイナンスに興味を持つことが、あなたの実力をさらに押し上げるキッカケになることは間違いない。ソフトバンク社内では、「会計&ファイナンス」の研修は、行列待ちだという。さすが、できる社員は目のつけ所が良いね。拙著、『会計&ファイナンス』は、経理を目指す人ではなく、有能な経営者を目指す人向けに書いたから、他と一線を画しているはずだ。読んでもらえれば嬉しい。その価値はあると思う。
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