キーマンインタビュー

双日(大連)有限公司
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双日(大連)有限公司

董事 総経理 宮崎 誠尚氏

「New Way, New Value」精神で
クロスボーダーの架け橋として
企業と企業をつなぐ使命


加工輸出の変化と加減の狭間で


 大連進出は旧くは日本棉花株式会社(ニチメンの前身)時代の1913年に始まります。1997年に法人設立。2004年にニチメン株式会社と日商岩井株式会社が合併し、双日株式会社が誕生、当社も現在の名前となりました。
 大連拠点においては、食料(水産、加工食品)、林産(建材、家具)、化学(工業塩など)、合成樹脂、産業機械(ベアリングなど)、船舶機械、鉱産、不動産、エネルギーと多分野での輸出入や国内売買に従事。小規模ながら本社の事業領域の大半を担う重要拠点となっています。関係会社として保税区に中国初の超低温マグロ加工・販売会社である大連翔祥食品有限公司(双日グループ51%)等を有します。
 大連の取引先は主に日本向けの加工輸出拠点として機能した所が多いですが、現在では厳しい日本向け品質基準に応えてきた実績を元に、中国内販を含むアジア域内や欧米諸国向けに販路を広げる企業が増えています。またそれにより材料の選定基準も変化しています。市場が異なれば求められる規格、許容される価格・品質も異なってきます。内販に関しては他の国内沿岸大都市に比べ、大連の地理的ハンディは認めざるを得ません。しかし環境の変化を捉え、戦う場を変えながら成長しようとするパートナーのニーズを細かく吸い上げ応えられるよう、我々も柔軟に変化していきます。

消費者に届くまで
チェーン全体で取り組む事業


 商社はいわゆる「モノの売買」を生業としているように見られますが、当社スローガンの「New Way, New Value」の精神で、新しい「付加価値」の創造にチャレンジします。当地の消費者には高価なものを購入し所有・消費するだけでなく、「安心」「安全」「快適」「環境」といった生活の質の向上に対するニーズが高まっていますが、日本では既に文化として各業界で共有されているものです。消費者の信用を短期間で勝ち取るために、当地企業から日系企業との提携に秋波を送られる機会はまだまだありそうです。ただ一企業の頑張りだけではバリューチェーンの部分最適で終わりがちですので、材料調達、加工、流通から消費者へサーブするまで、チェーン全体の信頼を担保した仕組みを消費者に見える形で作り、かつコストパフォーマンスをバランスさせなければいけません。難しいチャレンジですが、我々は志を同じくするパートナーとのネットワークを活かした合作により、モノやサービスが満足行く形で消費者に届けられるまで、チェーン全体で取り組める事業の形成を進めます。最近大連翔祥食品の拡大のための投資を決めたばかりですし、今後も双日が大連で元気な所を見せていきたいです。

ジャカルタ、大連赴任を通じて

 5年にわたるジャカルタ駐在、そして今回の大連赴任を通じ、東南アジアも中国も同じアジア圏として日本と文化を共有する部分があり、日本人として仕事がしやすい一面もあると感じています。中国とは政冷経熱などと言われますが、外に住んでいる時はさまざまな軋轢を抱えているように見えても、実際に住んで多くの人と接してみると日本と中国には民間レベルで強固で不可分なパートナーシップが広範な領域で存在していることを実感します。私は中東や欧米との仕事にも携わったことがありますが、アジア地域の方が日本人にとって個人対個人の特別な信頼・友好関係を築きやすいと感じます。日本のブランドや文化になじみがあり、親近感やリスペクトを感じてくれる人も多いからでしょう。
 目下、中国企業がアジア域内へ進出する流れもある中で、中国の資本や技術を受け入れながら成長していかねばならないものの、初めて組む中国企業に対し警戒感も感じる現地企業。一方でアジアに進出する際に、どこで必要なインフラを確保するか、どの現地パートナーと組むべきか、必ずしも適正な選択ができない中国企業。双方に対し、我々が国や事業領域を超えたクロスボーダーの架け橋的な役割を担うチャンスは大いに存在します。商社として、長い年月をかけて世界中で構築してきたパートナーシップは大きな武器になると考えています。
 ジャカルタ時代、現地クライアント企業は華僑の方が多かったのですが、幹部同士の会話は日常的に中国語が使われており、トップの懐に飛び込むために中国語の重要性を強く感じたものです。そして今、中国・大連に身を置き、東南アジアで仕事をする上でも大きなプラスに働く中国語を一から学ぶ絶好のチャンス。やさしい中国語の先生との週4日の授業を楽しみながら大連駐在を充実したものにできればいいですね。



新年会にて。大連に来てすぐ覚えた「走一个!」で杯を重ねいい気分に(笑)。社員はintelligenceとentertainmentを兼ね備えた各界のプロ集団、私も「人に優しく、仕事に厳しく」で臨みます。


PROFILE
みやざき しげひさ
1968年生まれ、大阪府枚方市出身。1992年京都大学農学部卒業後、日商岩井株式会社(双日の前身)入社。財務部、プラント部(通算約20年)、インドネシア・ジャカルタ(2001年~2006年)、水産部、長崎のマグロ養殖子会社への出向を経て、2015年10月に大連赴任、現在に至る。趣味は魚釣り、魚突き、魚料理、市場探検。

<宮崎さんを知るキーワード>


水中で息を潜めて魚突き!


離島で突いたイシダイ61cm。人に寄ってくる性質があり、潜行して30秒ほどで岩穴からぬらっと出てきたところをドスンと。通勤電車内で息を止める練習をよくやっていました(笑)。


岩場で寝泊りワイルドな週末


長崎のマグロ養殖会社に出向している間は、週末に男女群島や五島列島などの沖磯へ出かけたものです。岩場でキャンプをしつつ、1日中魚釣りや魚突きをして……嗚呼、充実の日々。


簡単&旨い! 魚のハム


伊豆で釣ったときに作ったワラサ(ブリ)の生ハム。大漁のときは糠床に漬けたり、ピチットシートで包んだりして脱水し、生ハムにしておいしくいただきました。軽く燻しても旨いです。



双日(大連)有限公司
大連市西崗区中山路147号森茂大厦7階
℡(0411)8360-1177
www.sojitz.com

双日(大連)有限公司

住所 辽宁省大连市西岗区中山路147号森茂大厦7楼 MAP
電話 0411-8360-1177

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